パエリア〜世界一周できるその日まで〜

世界一周旅行記の本を出版する前にこちらのブログで記事の試作をさせて頂いております。

第1章 「イカ墨」

 

 

 

 

2018年12月

 

 

 

日本から1万km以上離れたスペインのバルセロナ真っ黒な料理を前にお店のマスターさんと自分は、にらめっこをしています。

 

 

 

 

 

 

 

いや正確には、にらめっこでは無くスペイン語どころか英語もろくに話せない自分のせいでお互いに意思の疎通がしたくて通訳をして下さっているスーさんの言葉を待っている間、もどかしい表情をして顔を合わせています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海外旅行をしている中でこんなにも美味しいものが異国の地にあるのかと驚いてタイトルにしようと決めたパエリアに向かい

 

 

 

 

 

「ただいまー。」

 

 

 

 

 

と笑顔で話しかけた自分によほどの興味を新たしく交代になられたマスターさんが持たれ気になり話しかけて下さっていたのです。

 

 

 

 

 

 

 

8ヶ月前に初めてこのお店に来て美味しくて感動をした事をお伝えさせて頂くと厨房まで自分の渡させて頂いた携帯を持って行き調理の焼き上がりのパエリアを撮って来て下さる有難い対応をして下さいました。

 

 

 

 

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お皿に盛られた真っ黒のパエリアによだれを垂らしそうになりながら、そのままパクッと口に放り込みたい欲望を我慢して大きめのスプーンでガシャガシャとかき混ぜ8ヶ月ぶりのバルセロナイカ墨のパエリアを夢中になって食べさせて頂いています。

 

 

 

 

口の中に初めて食べ入れた時には

 

 

 

 

「いやいや冗談でしょ?」

 

 

 

 

こんな美味しいものを海外で食べた事がないと感じて、このイカ墨のパエリアを食べるためだけにスペインに来る人もいるのではないか?

 

 

 

 

 

と思ったほどの神味(かみあじ)でした。

 

 

 

 

 

お店のスタッフさんも毎日来ているのに同じこのイカ墨のパエリアを頼むから笑うしかないみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

こちらのお店を前回のスペイン旅行の時に偶然知った自分は地元のスペイン人の人でもそんなに頻繁に食べないよ。

 

 

 

 

 

 

 

と言われるくらいに毎日、イカ墨のパエリアがあるお店とサグラダファミリアを回っていてその内で見つけた美味しいお店の中の1つなのです。

 

 

 

 

 

 

 

最初にこのお店に来た時に

 

 

 

 

 

「あれれ?」

 

 

 

 

 

スペインの特にバルセロナに着いてから殆ど毎日、注文させて頂いているパエリアと何かが違う、、、何だろう??

 

 

 

 

 

 

 

ジューシー感が足りないのかな、そういえばスペインのパエリアを数日前に初めて食べた時のあの感動はお米がオリーブオイルの湯船に浸かっているかのような見た目も味も超ジューシーに感じたけど流石に毎日、食べていたから麻痺してしまったのかなー、と一口食べて難しそうな表情をして通訳さんのスーさんからお店のマスターさんに

 

 

 

 

「すみません。オリーブオイルをもらえますか?」

 

 

 

 

とのお願いをさせて頂きました。

 

 

 

 

 

当時のマスターさんはもの凄く驚きと嬉しさの混ざったようか顔をしてからすぐに持って来るのジェスチャーをして下さいました。

 

 

 

 

 

 

 

ニコニコしながらオリーブオイルをテーブルに置いて下さったので御礼を伝えてパエリアにかけようとすると止められてしまったのでマスターさんを見上げると必死にこちらに何かを教えようとしてくれていらっしゃいました。

 

 

 

 

 

 

 

スーさんのして下さる解説を今か今かと待ちながらマスターさんのジェスチャーを見ていると

 

 

 

 

 

「オリーブオイルじゃなくて、こっちのソースを付けるとこのパエリアは美味しいんですよ!!」

 

 

 

 

 

言葉は分からなくともオリーブオイルを持って来て下さった手とは反対の手に持たれている白いソースをスプーンですくう身振りと手振りで理解が出来ました。

 

 

 

 

 

 

そしてスーさんに合っているか確認してからその白いマヨネーズみたいな見た目のアイオリソースと呼ぶものを真っ黒なイカ墨のパエリアに混ぜるとオリーブオイルとは違ったジューシー感が足されてこれは、めちゃくちゃ美味しいと頷きながら笑顔でマスターさんに美味しいです。

 

 

 

 

 

 

 

と率直に伝えるとマスターさんも笑顔で頷いて下さりその後に真剣な顔で事情を話して下さいました。

 

 

 

 

 

 

「今まで日本の人に油っぽいと言われてもオリーブオイルが足りないと言われた事は無かったんですよ。」

 

 

 

 

 

 

苦笑いをしながら少し悲しげな表情で話されるマスターさんのお話に、このジューシー感がスペインのパエリアの大きな良さなのにと思い驚きとともに喜んで下さったマスターさんに

 

 

 

 

 

「明後日は日本に帰るので明日も来ます。」

 

 

 

 

 

と約束させて頂きテイクアウトのイカ墨のパエリアをホテルでも食べたいからとお願いをさせて頂いてご機嫌なマスターさんと写真までご一緒に撮らせて頂きお店を後にしました。

 

 

 

 

 

 

 

ホテルまでの帰り道を歩きながら、これまでバルセロナで行かせて頂いたお店にはあのアイオリソースがあるのに使わないで食べてしまったお店があった事を思い出し

 

 

 

 

「明日、もう一度あのソースを付けて食べ直してみないと」

 

 

 

 

 

 

 

とお店の場所と名前を撮らせて頂いた写真が入っている携帯のカメラロールをスワイプして探しました。

 

 

 

 

ソースを付けないで食べてしまったお店がサグラダファミリアの近くだとカメラロールから見つけ出し先ほどのマスターさんの嬉しそうな顔を思い出して胸が痛くなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらのお店は大通りに面しているお店なので観光客のお客さんは沢山、来ているであろうに油っぽいと何回も言われてアジア系のお客さんにはマスターさんが控えめになってしまって行ったのかも知れないです。

 

 

 

 

 

 

油っぽいと言うアジア人がお店に来て珍しい真っ黒なパエリアを注文し記念に写真を撮っては残して帰って行かれる。

 

 

 

 

 

こんないつも通りの光景の中で一口食べてスプーンをとめてオリーブオイルを注文されたら驚く気持ちも分かりますし、こっちの方が美味しく食べられると教えてあげたい気持ちになって下さったのかも、、と優しい顔をしたマスターさんの笑顔がまた浮かびました。

 

 

 

 

 

「スペインは治安が良くないから気をつけて下さいね。」

 

 

 

 

「知り合いがスペインでスリにあった事があり心配です。」

 

 

 

 

 

 

とのお知り合いの方々のアドバイスバルセロナに来て1週間経過してからは、フランスやイタリアよりもさらに日本人に優しい親日の人が少し多い感覚でした。

 

 

 

 

 

治安は夜は危ないとガイドブックに書いてあったにも関わらずスケジュールの都合と歩き過ぎて腫れてしまった自分の足が翌日に歩き回れないであろうと思った関係で真夜中にはカジノ・バルセロナまで行かせて頂きましたがセキュリティーが万全な分むしろ安心でいられました。

 

 

 

 

 

バルセロナの夜は22時頃には飲食店以外は殆ど閉まっている印象なのでコンビニ代わりの24時間営業のスーパーマーケットくらいしか行く所が無いので出歩く場所を知らなさすぎる自分にはちょうど良かったのかもと考えます。

 

 

 

 

 

 

バルセロナに行ったらイカ墨のパエリアを食べてみて。今まで行った国の中で一番美味しかったのはバルサだからさ。」

 

 

 

 

 

と初のスペイン旅行の際に教えて下さった福島県の北熱エンジニアリングの馬場社長に感謝をしながらこれまでの海外旅行を振り返っていました。