7章 「ニース」
朝起きると気絶するかのような形で眠ってしまっていた自分に気付き昨日、歩きすぎてしまい疲れていた事を知りましたが今日はニースに行けるのだと頭の中を楽しみいっぱいに切り替えてベッドから起き上がりました。
朝食はまたパンだけだと物足りないかもと思いニースに向かう途中に何か食べれたらと思って歯を磨いて出掛ける準備をさせて頂きました。
ニースに向かう道のりは電車が便利だとコンシェルジュさんから教えて頂いていたのでモンテカルロ駅までタクシーで向かわせて頂き駅の売店でサンドイッチを買わせて頂きました。
さっそくニースまでのチケットが買える券売機に行くとこれが、かなり手ごわく一般成人かなどを選んでから何処から何処へ行くのかの出発と到着の場所を押して今日のチケットの場所を選んで何人かを選んだり往復なのかなど、もう自分にはお手上げ状態でスーさんに託したところスーさんも少し手こずっている様子を見て外人さんが日本の駅中で困っているのはこう言う気持ちなんだろうなと思い少しでも話せる人が教えてあげるだけで、もの凄く喜ばれていらっしゃる気持ちが想像出来ました。
やっと発券出来た電車のチケットを持ち待っていると5〜10分くらい出発が遅れたのでこれも定時きっかりに出発や到着して5分遅れたら何か事故でも遭ったのかと考えてしまう日本の感覚とは少し違うのだなーと思いました。
電車は2階建の造りになっていてフランスの国鉄を意味するSNCFと書いてあります。
左側に地中海を眺めながら20分くらい乗っているとスーさんが次がニース駅だと教えて下さいました。
到着した駅を出て白い4階建くらいのホテルの様な造りの建物が並んでいる街並みに、これぞ外国っぽい街並みだなと思いながら海岸線のある方を探して散策をさせて頂きました。
一本の道の先に海沿いが見えてきてそのまま進むとコートダジュールと呼ばれる海岸に出れました。
太陽の光が反射して眩しい海を見ていると温かいを超えて暑く感じてしまい12月の冬のヨーロッパで暑い?と不思議に思ってスーさんに
「暑くないですか?」
と聞いたらパリと同じフランスでも5度以上はニースの方が温かいので暑く感じるのかもとの事で自分は風邪をひかないように持って来てしまったコートを脱ぐ事にしました。
少し歩くと大きめの観覧車が見えたのであれに乗ったらニースの街を一望できそうに思えてその場所まで向かわせて頂くと、そこは町の中心部にあたるマセナ広場と言う所で両側に1つ1つが少しシッカリした感じの出店みたいなものがズラーッと並んでいてこちらでもクリスマスマーケットが開かれているようでした。
パリで飲むのに苦労をしたホットワインがあったのでもう一度チャレンジをしてみましたが、やはり加熱されたワインにむせてしまう自分を横目に笑みを浮かべながら普通に飲んでいるスーさんを見て恥ずかしくなり鼻をつまんで一気に味わえなく飲み干してしまいました。
ゴミ箱に飲み終えた紙コップを入れて観覧車の子供さん達の列に並んで乗りたいんですと伝えるとユーロと交換でプラスチックの入場用のコインを渡して下さいました。
それを係員さんに渡して回っている観覧車に乗せて頂き上の方に行くと予想通り建物と建物の間を歩いていたため見えづらかったニースの街を見渡す事が出来ました。
白が多いと思っていた建物も赤やピンクや黄色の建物が色々建っていましたが殆どの屋根は赤色になっていました。
そしてトリコロールの赤青白の3色でアイラブ、ニースと書かれたオブジェを中心に大きな広場になっていてその周りをトラムと言われる路面電車が走っている事が分かりました。
一周回って乗らせて頂いた御礼の有難うをお伝えさせて頂きいま見えたアイラブ、ニースのオブジェの所で順番に撮られていらっしゃる観光客の皆様の列に加わらせて頂き写真を撮っているとポールが点々と立っていてその上にユニークな白い座る人のオブジェがあり何だろうと不思議になって調べるとそれらが7大陸を表していり事を知りました。
楽しい街だなーと思いましたがその楽しい街と思っている中心で来ちゃったと書いてあるTシャツを来て歩いて写真を撮っている自分は周りからはもっと面白く見えていたかも知れません。
こちらでもマセナ広場近くのブランド店が軒を連ねる目抜き通りがありその一角に人が集まっている場所があったので何かしているのかなと思いそちらに行ってみると何やらパーティーのような感じで入って良いですか?
と日本語で聞いて頷く入口の人に有難うと行ってお店の中に入ってみると何を話されているのかは分からなかったですが楽しそうに皆様が笑いながら歓談なされていたので何のパーティーかをスーさんに聞いてもらいたいなと振り向くと何とスーさんは入口で止められていました。
あれ?どうしたんだろと入口まで戻ると
「ティファニーのレセプションパーティーで招待客の人以外は入っては駄目みたいなんです。」
と何で普通に入らせてもらえたのと不思議そうな顔をしながら答えを教えて下さいました。
いきなり日本語であまりにも普通に入ろうとしたので入口の人は関係者か招待客に間違い無いだろうと思わせてしまったのかも知れないと思い、ごめんなさいと先ほどの入口の人とスーさんに謝って出てきました。
そのまま目抜き通りを歩くとまた海岸線に出たので前々から1つだけニースで行ってみたいと思っていたお店の場所を調べる事にしました。
それはル・メリディアン・ニースホテルの最上階にあるラ・テラスと言うレストランで思っていたよりかなり近かったのでサンドイッチしか食べていなかったお腹にご飯を入れる事にしました。
エスカレーターで上がってホテルの受付で屋上のレストランでご飯を食べたいのですがと伝えさせて頂くとエレベーターで9階に上がるとありますと教えて頂けたので言葉通りに行かせて頂くと9階からさらに階段で上に登る形になっていて、あれ?間違えちゃったかなーっと思い登った後に外へ出てみると地中海が一面な広がる最高の景色が飛び込んで来てそこを見渡せるようにテーブルがセッティングしてありました。
「ボンジュール」
とメリディアンのシャツを来たスタッフさんが声をかけて下さり空いている席に座らせて下さいました。
先にトイレで手を洗わせて頂き席に戻りお店を見てみると沢山のお客さんがいらっしゃりテーブル席で楽しそうに話されたりレストランに併設されているプールの近くで座っていたりと雰囲気の良い空間が広がっていました。
ミネラルウォーターとお肉とお魚と言う食べたい物をそのままスーさんに伝えるとメニューの中から読み上げて下さったのでそのうちのサーモンをお願いさせて頂きました。
料理を待っている間に人懐こいハトが近くに来てくれたので自分のパンを千切ってあげてみると指で挟んだパンを食べてくれました。
地中海を見渡せるこんな絶好のロケーションでハトにエサをあげれるなんて素敵なお店だなーと思っていると注文させて頂いていた料理を運んで来て下さって胡麻を乗せて熱を少し通した感じのサーモンでが抜群に美味しくニースでこのお店に来て本当に良かったと思いました。
50代のスーさんはご家族を連れて来たいと思われたのか海を見て黄昏ていらっしゃり邪魔をしたくなかったので声をかけずに思い思いの時間を過ごさせて頂きました。
徐々に日が落ちていくのが分かったので、そろそろモナコに戻ると夜になると思いお店を出てタクシー乗り場で駅まで行ってもらおうと
「ニース駅までお願い出来ますか?」
と伝えて了承を得たのですが駅に向かっている最中に明らかに同じ所を何回か通っていたので変だと思ってスーさんに聞いてもらうと運転手さんは何事も無かったかのように何処まで帰るのかを聞いてこられたので電車でモナコに戻るんですよと伝えると何やら話し込んで来たので何と言っているかをスーさんに聞こうとすると怒った口調で
「この人、モナコまで乗せて行くからと馬鹿げた金額を言っているんですよ。」
と教えてもらいボッタクリのタクシーさんがとうとう現れたかとパリで値段を軽くあげて来るタクシーの運転手さんを思い出しました。
「じゃあ良いですよ。ここで降りますからと伝えて下さい。」
と伝えたらまだ何かゴネているので後部座席に書かれている番号などを写真で撮らせて頂き
「あなたが所属されているタクシー会社さんに連絡しても良いですか?」
と通訳して頂いたら観念されたみたいで渋々感はありましたが駅まで連れて行って下さいました。
時刻は16時30分くらいで行きに来た電車と反対の道のりを帰りホテルに着く頃には日が暮れて暗くなっていました。
お帰りなさいと立ち上がって迎えてくれたコンシェルジュさんにニースで楽しかった事の土産話しの1つとして一連のタクシーの事も話させて頂くと街中でタクシーを拾った場合、行き先が駅とかだと日本人をカモにしようとしてくるタクシーの運転手さんは居るだろうが行き先をホテルにすると警備員さんなど諸々いらっしゃるのでボッタクリが出来ない事と知らない場所でタクシーを拾う場合は出来るだけ乗る前にタクシーのナンバーをメモをしておくと良い事を教えて下さったので御礼を伝えてそれからはタクシーに乗る際にはナンバーの写真を撮らせて頂く事にしました。
部屋に戻るとバンバンと外から音が聞こえて窓を開けて見ると何かの記念らしく花火が上がっているのが見えたので1時間くらい歩き過ぎた足を休ませてその花火を見させて頂いているとスーさんから電話が鳴り予約をお願いさせて頂いたフィアモントホテルの中にあるNOBUと言う日本料理屋さんの予約が取れた事を教えて下さいました。
久しぶりの巻き寿司を頂きながら海苔って美味しいな、白いお米に海苔を巻いただけで美味しいと思って食べるのはきっと日本人だけなんだろうな日本人で良かったと思いながら勿体なさそうに1つずつ噛みしめるようにモナコで出されるお寿司を食べさせて頂きました。
翌日はパリに戻る日なので食べてすぐにホテルへ戻るとあの何とも言えない素晴らしいフレグランスの香りがしたので、この香りとも今日でお別れかと記憶にその良い香りを刻み付けて眠りにつきました。