6章 「大砲」
勢いでタクシーから降りてしまった自分に冷静なスーさんはこちらの建物をゆっくり見て回ると時間は結構押してしまいそうですが入られますか?
と聞いて下さり、これは海外にお仕事で行かれ慣れているスーさんの言う事をきいた方が良いと思いお土産コーナーだけでも行ってみたいとお伝えさせて頂き正面の荘厳な外観を写真に納めさせて頂きました。
自分がこの国で歴史ある建物に感動させて頂いているのと外国の方が日本にいらしてお寺や神社で感動なされるのは同じような感覚なのかも知れないなとお土産コーナーで綺麗な船の形をしたお土産を見ながら思いました。
そこからロマネスクビザンチン建築模式という造りで建てられたモナコ大聖堂まで行くと先ほどの海洋博物館よりもさらに凄い造りに思えて何かを信仰する想いはもの凄い形に現れるのだと思い知らされました。
天井の円形に描かれている大きな絵が自分の足を止めましたが綺麗すぎて動けなくなってしまったと言うのが正しい表現になります。
人の心理やマジックなど幅広い知識を持たれていらっしゃる医療関係の有名な方に
「宗教の建物はまず天井に目を行かせるように造られていてその見上げた状態だと首の形的にトランス状態に入りやすくなるのでその状態の後に講和などをする仕組みがあるんですよ。
催眠術などでも頭を上げて首の角度を変えますよね?
あれも同じ原理なのですよ。」
と教えて下さったのを思い出しました。
そしてこの場所は何と言ってもあのアメリカの女優さんからモナコのプリンセスになられたグレースケリーさんが眠られている場合でもあります。
確かカンヌ国際映画祭でモナコの大公さんに見染められてモナコの公妃になられたシンデレラストーリーがありお腹に赤ちゃんがいる事を記者に気付かれないようにエルメスのカバンでお腹を隠してそのカバンが有名になりケリーバックと名付けられた凄い逸話がある女性で結婚式もこのモナコ大聖堂で挙げられたと言う記憶があります。
うーん本当な素敵な方だったんだろうなと思いを馳せて一礼をして大聖堂から出てモナコの街を歩いてモナコと書かれたTシャツやマグネットのお土産を売られているお店などを軽く見て回っているとちょっとした高台のような場所に辿り着きました。
ちょうどカフェがありそこでお客さんが食べられているパニーニを見て朝食が足りなかった胃袋があれを食べたいとグーグー言うので寄らせて頂く事にしました。
例によって注文の仕方が分からなかったのでスーさんにあの人が食べているパニーニと同じのを注文出来ますでしょうか??
とお願いをさせて頂き出来立てのパニーニを口に入れると中身はハムやチーズくらいでシンプルな作りだったのにとても美味しく感じました。
長距離を連続で歩いてしまうと足が装具に擦れて血が出てしまう自分にはちょうど良い休息にもなりました。
店内を人を怖がらずに歩いている鳩にちぎったパニーニの端をあげていると視界に戦闘などで使う大砲のようなものが入りました。
大砲??最初は大砲に見える何か別の物かと思っていましたがどうやら間違いなく本物の大砲のようです。
軽食を終えて近くに行くと大砲の後ろには何十もの砲弾まで飾られています。
スーさんがカフェのオーナーさんに聞いて下さった話によると、これはモナコが独立を自国の力で守り抜いてきた証として置かれているそうでした。
その大砲が置かれている場所からは何十隻ものクルーザーが停めてある港が眼下に見下ろせて素晴らしい景色がこれまた広がっていました。
周りの観光客の人に混ざってその景色を見ているとウミネコと呼ばれるカモメさんがトコトコと大砲の上を歩いていて自国からの距離は1mもないのでモナコの鳥さんは人に慣れているんだなーっと思い一緒に写真を撮らせて頂いたほど人間を怖がっていませんでした。
そこから大公宮殿までは1分もしない場所でこのエリア自体が公宮のエリアでもありました。
入口には何台もの大砲が等間隔に置かれてその真ん中から衛兵さんが立たれていらっしゃいました。
皇居を守る警察の皇宮護衛官にあたるのかなと思いながら日本と違って青や赤や黒の映える制服に目を向けていると今度は銃を肩にかけてキビキビと歩かれこれが伝統と言うものなのだと感じさせて頂きました。
そんなモナコの歴史を感じさせて頂き景色を見ているだけで思っていたよりも時間が経っていたみたいで徐々に陽が落ち夕暮れ時になっていました。
そこでホテルの部屋に飲み物は買っておきたいと思っていた自分はスーさんとコンビニやスーパーマーケットを探してみたのですが一向に見つからずショッピングモールを行きのタクシーで見かけたのを思い出しあそこなら飲み物は沢山売っていそうだと向かわせて頂く事にしました。
観光客の人からショッピングモールへはバスが良いとの情報を頂きバスの停留所やどこで降りたら良いかなどまで有難い事に教えて頂けて向かうバスに乗らせて頂きました。
途中に明るい時はそこまで気にならなかったのですが夜には観覧車が冬季だけ作られているスケートリンクの場所で目立っていてこの国で1番大きな物はあの観覧車かとシンボルにないる観覧車をバスの中から撮らせて頂いたりもしました。
またモナコF1グランプリの有名なヘアピンカーブを通る時には乗客の皆様も観光客さんがいらっしゃったのかワーオと声を上げていらっしゃるのを嬉しく思っているとバスは本当にショッピングモールの目の前で停まって下さり中に入らせて頂きました。
日本のように外観をイルミネーションで飾るのと同じくらいに店内もクリスマス用のイルミネーションが全体的に光っていて綺麗でしたがこのショッピングモールで目が止まったのはどうやって運んで組み立てたのだろうと不思議に思う、もの凄く大きなクリスマスツリーで何と広い空間に1階から3階までの高さがありました。
そこに3mくらいのシャンデリアと星の形の輝いているオブジェが見事に合っていて綺麗な写真を撮る場所がエスカレーターをちょうど上がり切る手前の場所だったので2回も3回もエスカレーターを上がっては降り上がっては降りを繰り返してしまいました。
携帯電話以外の持ち物をスーさんが持って待っていて下さいましたが流石に3回目に申し訳なくなり3階で待って居て下さっている場所に戻ると、もっと撮って来て大丈夫ですよと優しく言って下さり救われました。
この時に撮らせて頂いたモナコのショッピングモール内のクリスマスツリーの画像は気に入ってしまいクリスマスの時期になると思いだして自分は携帯の待ち受け画面に今もさせて頂いています。
飲み物が買える場所を見つけると他に買うものは特に無かったのですが折角この綺麗なショッピングモールに足を踏み入れさせ頂いたのでウインドウショッピングをプラプラとしていると全く読めない本屋さんの中で見慣れた文字の数字を枠に入れて解いていくナンプレとか数独とかの名前で日本でも馴染み深い本があったので全部外国語で書かれていても、これなら解るとお土産として買わせて頂き朝食のパンとパニーニしか食べていなかったスーさんと自分はちょっとしたフードコーナーを見て首を縦に振り合ってしまいました。
メニューを読み上げて下さっている中からお肉のタルタルと言うフレーズに興味を惹かれてそれとスープをお願いさせて頂きました。
てっきり焼いたお肉にタルタルソースみたいのが付いてくるのかと思っていたら、どうやら生肉に塩コショウで味付けをしたものらしく焼肉屋さんのユッケを食べている感じでこれはこれで美味しかったです。
しかし、まだまだ1日のご飯の量としては物足りなく一度ホテルに戻りコンシェルジュさんに
「お米が食べれるお店に行きたいのですが、、」
とお願いしながら昨日も同じセリフを言ってしまっていた事に言いながら気付きました。
「マヤショップと言う多国籍料理のレストランが人気がありますよ。
宜しければ予約の連絡を私が致しましょうか?」
と昨日のカフェ・ド・パリと別の場所をすぐに気を回して教えて下さったコンシェルジュさんは流石だなーと思い予約が取れるかお願いをさせて頂きました。
幸運にも予約が取れたらしく、またタクシーの運転手さんにお店を伝えて下さるコンシェルジュさんに御礼をお伝えさせて頂きました。
今度のタクシーは白いベントレーのSUVで日本ではベントレーのタクシーなんて見たことも無いのにモナコでは当たり前なのかな、、とまた思ってしまいました。
MAYA SHOPと言うレストランは凄いボリュームの音楽がリズムよく流れていて店内ではDJさんがその場で音楽を流されていらっしゃいました。
店内は少し照明を控えめに落とされていて赤色をメインにした造りになっていました。
多国籍料理と言われるだけありメニューは豊富に書いてあり、どの様な料理かを1つ1つ教えて下さるスーさんに魚のカルパッチョと焼いたお肉と白米のご飯をお願いさせて頂きました。
あー、、リゾットとかでは無く白いお米が食べられるのはこんなに嬉しい事なんだなと日本人である事を再認識させて頂き日本のお米より少し細長いパラパラした感じのお米が食べられてとても嬉しかったです。
ご飯が終わったらこの日はカジノへは寄らず明日のニースに行くのを楽しみにホテルに戻らせて頂きお風呂に入ってフカフカのバスローブの心地よさを感じていたらバスローブの姿のまま、この日は眠りに落ちてしまっていました。